ロードサービストラブル

Road Service Trouble

JAF会員・自動車保険で無料のロードサービスを知らずに民間業者を呼んでませんか?「基本料金2,480円」が5万円に。料金目安と適正業者の見分け方などを解説します。

深夜の高速道路でバッテリーが上がった。スマホで「バッテリー上がり 助けて」と検索すると、「24時間対応・基本料金2,480円」の広告が一番上に。焦って電話したら、現地で高額請求。

ロードサービスのトラブルはこの10年で88倍に急増しています。一般社団法人生活レスキュー適正表示機構(HESASO)が、ぼったくりを防ぐ方法を解説します。

典型的なトラブル事例

  • 同意なしにタイヤ4本を交換

    パンク修理を依頼したところ、「まず状態を見ますね」と確認を開始。その後「タイヤが古いので全て交換した方がいい」と説明され、十分な同意がないままタイヤ4本を交換。作業後に高額請求され、断れない状況に追い込まれた。

  • 実はJAF会員だったのに

    深夜に車のトラブルが起き、焦って民間業者に依頼し、45,000円を支払った。後日落ち着いて確認すると、自身がJAF会員であり、同じ内容のロードサービスが無料で利用できたことが判明。

  • 自動車保険の無料サービスを知らずレッカー代60,000円

    故障で車が動かなくなり、民間業者のレッカー移動を依頼。60,000円を支払った後、加入している自動車保険に無料のロードサービスが付帯していたことを知る。

トラブルが起きる原因

  • 無料サービスの存在を失念

    ほぼすべての自動車保険に無料のロードサービスが付帯していますが、多くの人が付帯していることを知らないという状態です。

  • 料金表示が不明確

    「◯◯円〜」表示では出張費や追加費用が含まれず、作業後に初めて総額を知るケースが多く見られます。

  • 作業前の同意が曖昧

    「だいたいこのくらい」と曖昧なまま作業を始め、開錠後に追加費用を重ねて断れない状況を作る手口です。

  • 出典:国民生活センター「暮らしのレスキューサービスに係る消費者相談の概況」(消費者委員会 配布資料1-1、2025/2/18)

民間業者を呼ぶ前に、まず確認!

トラブルが起きたら、焦って検索する前に、以下の3つを確認してください。これらを知っているだけで、数万円の出費を防げます。

JAF会員証を確認

財布の中にJAFの会員証はありませんか?会員なら、バッテリー上がり、パンク修理・スペアタイヤ交換、鍵の閉じ込み開錠、燃料切れ給油(10Lまで無料)、落輪引き上げ、レッカー移動(15kmまで無料、超過は1kmあたり730円)が基本無料で回数無制限です。

会員でない場合の料金は、一般道の昼間で13,130円から、高速道路の夜間で21,520円からかかります。家族会員も同じサービスが受けられます。まずは会員証を確認してください。連絡先は、電話0570-00-8139(ナビダイヤル)、またはアプリ「JAF デジタル会員証」です。

自動車保険のロードサービス

自動車保険(任意保険)に加入していれば、ほぼ確実にロードサービスが付帯しています。たとえばソニー損保ならレッカー移動150kmまで無料でバッテリー上がり・パンク・鍵開錠も無料、三井ダイレクト損保ならレッカー移動50kmまで無料でバッテリー上がり年1回無料、東京海上日動ならレッカー移動180kmまで無料でバッテリー上がり・パンク・鍵開錠も無料です。

確認方法は簡単です。保険証券を見る(車に積んでありますか?)、保険会社のアプリで確認する、保険会社の24時間受付に電話して「ロードサービス付いていますか?」と聞くだけです。

クレジットカード付帯のロードサービス

一部のクレジットカードには、ロードサービスが付帯しています。たとえば三井住友カード プラチナはレッカー50kmまで無料、JCBゴールドは一部提携会社のロードサービス優待、アメリカン・エキスプレスはプラチナ以上でロードサービス付帯です。カード会社のアプリまたは裏面の電話番号で確認してください。

JAFや保険が使えない場合、または到着に時間がかかる場合

JAF会員でない、自動車保険にロードサービスが付帯していない、または到着に時間がかかる場合は、民間のロードサービス業者を呼ぶことになります。その際は、「適正業者の見分け方」を確認してください。
保険証券とJAF会員証は、今すぐ車のダッシュボードに入れておきましょう。

適正業者の見分け方

JAFも自動車保険も使えない、または到着に時間がかかる場合、民間のロードサービス業者を呼ぶこともあります。その際、以下の5つを確認してください。

  • 01.料金表が一画面で確認できるか

    Webサイトで、基本料金・出張費・夜間割増・祝日料金・高速出動料・特殊工具使用料・部品代・キャンセル料が、税込で一覧表示されているか確認してください。

    良い例

    • 主要料金がすべて税込で明記され、スクロールなしで確認できる

    悪い例

    • 「基本料金2,480円〜」だけ大きく表示
    • 出張費・夜間割増・祝日料金が別ページ
    • 「詳しくはお電話で」と記載
  • 02.「本日の合計◯◯円」に、はっきり同意

    作業前に「本日の合計は◯◯円です。よろしいですか?」と明示し、口頭だけでなく書面・アプリ・メールなどで確認する業者を選んでください。

    良い例

    • 合計金額を提示し、同意のサインまたはアプリで確認。
    • 作業内容と金額がセットで確認できる

    悪い例

    • 「だいたい2万円くらいですかね」と曖昧
    • 作業しながら追加料金を重ねる
  • 03.同意の記録を残す仕組みがあるか

    いつ・誰が・いくらに同意したかを、デジタルまたは書面で保存しているか確認してください。「言った」「言わない」を防ぐには記録が必須です。

    良い例

    • 日時・金額が記録される(アプリ/書面)
    • 見積書に「上記金額に同意する」欄と日時

    悪い例

    • 同意なしに夜間割増を支払っても証拠がない
    • 「電話で説明しました」だけで記録なし
  • 04.明細・領収書をその場で発行するか

    作業完了後、その場で紙または電子(メール/SMS)で発行する業者を選んでください。「後日メールします」は届かないことが多いです。

    良い例

    • 作業完了後、その場で明細・領収書を発行
    • メールまたはSMSでも送付

    悪い例

    • 「後日メールします」と言って発行しない
    • 「領収書は本社から郵送」と言われて来ない
  • 05.会社情報・資格を明示しているか

    社名・所在地・責任者・固定電話をWebサイトと見積書に記載しているか確認してください。
    給湯器の取り付けには、使用する燃料や電源によって資格が必要です:

    良い例

    • 社名・所在地・責任者・固定電話がWeb/見積書に明記されている
    • 必要資格と資格番号まで書かれている

    悪い例

    • 「24時間ロードサービス」とだけ表示され、会社名がない
    • 屋号のみ、携帯番号のみ、資格記載なし

料金の目安

基本作業費
  • ジャンプスタート:8,000円〜15,000円
  • パンク修理:5,000円〜12,000円
  • 鍵開錠(インロック):8,000円〜18,000円
  • バッテリー交換(作業費・本体代別):5,000円〜15,000円
  • レッカー移動(10kmまで):15,000円〜30,000円
  • タイヤ交換(スペアタイヤへ):5,000円〜10,000円
出張費
  • 基本出張費:3,000円〜8,000円
  • 高速道路出動:10,000円〜20,000円(通行料別途)
  • 遠方出張:1kmあたり100円〜300円
時間外・特別料金
  • 夜間割増(22時〜6時):基本料金の30%〜50%
  • 早朝割増(6時〜8時):基本料金の20%〜30%
  • 祝日料金:3,000円〜5,000円
  • 年末年始(12月29日〜1月3日):基本料金の50%〜100%
追加料金
  • 特殊工具使用料:3,000円〜10,000円
  • バッテリー本体代:20,000円〜80,000円
  • タイヤ本体代(1本):15,000円〜40,000円
  • 特殊車両(外車・大型車):基本料金の20%〜50%割増
キャンセル料
  • 現地到着前:0円〜3,000円
  • 現地到着後:3,000円〜出張費全額

HESASO認証マークの意味

HESASO認証マークが証明するのは、「5つの手順を守っている」ことです。料金を先に見せ、合計額に同意を得てから作業する。記録を残し、明細を発行する。会社情報を明示する。これらを第三者(HESASO)が確認済みという意味です。

認証マークは、技術力や価格の安さを保証するものではありませんが、透明な手順によって「聞いてない!」というトラブルを防ぐことができます。HESASOがチェックするのは、「手順の透明性」です。

認証が約束していること

  • 料金を事前に見せる
  • 作業前に「今日の合計いくらか」をはっきり伝える
  • その同意を記録に残す
  • 作業後すぐ明細を渡す
  • 会社名・住所・資格などをきちんと公開している

ロードサービスで特に注意すべき点

ロードサービスは、出張費・夜間割増・祝日料金・高速出動料・特殊工具使用料など、加算項目が多い業種です。これらすべてを含めた「本日の合計◯◯円」を作業前に明示し、同意を得ることが重要です。「基本料金だけ」「だいたいこのくらい」では、後々トラブルになります。

また、バッテリー交換やタイヤ交換など、部品を使用する場合、部品代を事前に明示することが必要です。「作業後に実費請求」ではなく、「このバッテリーは40,000円です。よろしいですか?」と確認してから交換します。

認証マークがない=悪い業者、ではありません

認証マークは「手順を守っている証明」ですが、認証を取得していない業者でも、きちんと手順を守っている会社はたくさんあります。

認証マークは選ぶ時の一つの目印です。認証マークがなくても、上記5つの手順(料金表示・同意取得・記録・明細発行・会社情報明示)を確認すれば、適正な業者かどうか判断できます。

事業者の方へ

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手順を守る会社として、認証マークで差別化を。

消費者の方へ

認証事業者はまだ多くありませんが、今後増えていきます。

よくある質問

  • JAFと自動車保険のロードサービス、どちらを使えばいいですか?

    両方とも会員・契約者なら、どちらを使っても構いません。JAFは回数無制限、自動車保険は年1回などの制限がある場合が多いです。また、JAFは家族会員も使えますが、自動車保険は契約車両のみです。状況に応じて使い分けてください。

  • 作業前にキャンセルできますか?料金はかかりますか?

    業者が現地に到着する前なら、多くの場合は無料でキャンセルできます。ただし、一部の業者は3,000円程度のキャンセル料を設定しています。現地到着後のキャンセルは、出張費(3,000円〜5,000円)または全額がかかる場合があります。依頼時に必ず「キャンセル料はいくらですか?」と確認してください。キャンセル料が不明確な業者は避けるべきです。

  • HESASO認証マークがある業者は安心ですか?

    はい、認証マークは「料金を先に見せる」「合計額に同意を得る」「記録を残す」という手順を、第三者が確認済みという意味です。「聞いてない!」というトラブルを防げます。ただし、認証マークは技術力や価格の安さを保証するものではありません。認証マークは「手順の透明性」の証明です。料金や技術は、複数の業者を比較して判断してください。

  • 認証マークがない業者は悪い業者ですか?

    そうではありません。認証マークは「手順を守っている証明」ですが、認証を取得していない業者でも、きちんと手順を守っている会社はたくさんあります。認証マークは選ぶ時の一つの目印です。認証マークがなくても、①料金表が一画面で見える、②合計額に同意してから作業、③記録を残す、④明細をその場で発行、⑤会社情報を明示、の5つを確認すれば、適正な業者かどうか判断できます。

  • 認証取得にはどのくらい時間がかかりますか?

    書類審査と実地確認を合わせて、通常1〜2ヶ月程度です。すでに5つの手順を実践している事業者なら、改善要請なくスムーズに認証取得できます。手順が一部不十分な場合、改善期間を考慮して2〜3ヶ月かかることもあります。詳しくは入会案内ページをご覧ください。

トラブルを相談したい

HESASO認証事業者とトラブルになった場合は、お問い合わせフォームからご相談ください。
ただし、私たちができるのは「認証基準の確認」と「改善要請」です。法律判断・返金交渉・示談調整などは、専門機関をご案内します。

こんな時は、ここに相談を

見せてから、同意してから。
これが、新しい安心。
料金を隠さず、手順を守る。
それだけでトラブルは減らせます。