リフォームトラブル

Renovation Trouble

屋根や外壁が劣化した、水回りを改修したい、訪問で「点検が必要」と言われた—焦っているときほど、「思ったより高い」が起きやすくなります。特に「無料点検」を口実に訪問し、「今すぐ工事が必要」と即決を迫るトラブルが急増中。国民生活センターの相談件数は5年で約3倍、契約者の8割以上が60歳以上です。

このページでは、リフォーム業者を選ぶ際に知っておくべきポイント、適正業者の見分け方、HESASOの認証基準、トラブル時の相談窓口について解説します。

典型的なトラブル事例

  • 無料点検から150万円の工事

    「無料で屋根を点検します」という訪問があり、点検を依頼。点検後に「瓦がずれておりこのままでは雨漏りする」と不安を煽られ、その場で150万円の屋根工事を契約。クーリング・オフで解約。

  • 近所で工事中を装って訪問

    「近所で工事をしている。お宅の屋根も見せてください」と訪問。点検後に「瓦が割れている」と写真を見せられたが、実際には他の家の写真だった。100万円の工事を契約させられたが、後日、クーリング・オフ。

  • 故意に屋根を壊す悪質な手口

    「点検します」と言われて屋根に上がった業者が、故意に瓦を割って「割れていますよ」と見せる。「すぐに修理しないと雨漏りして建物が腐る」と脅され、80万円の修理契約。家族が帰宅後に気づき、警察に相談。

  • 訪問販売でリフォーム200万円

    突然訪問で「お風呂を見せてください」と言われ、「古いタイプで危険」と説明され、その場で200万円の浴室リフォームを契約。後日、複数業者に確認すると相場の1.5倍だった。

  • 追加工事で金額が倍に

    外壁塗装を80万円で契約。工事開始後に「下地が傷んでいる」「防水工事も必要」と次々に追加工事を提案され、最終的に160万円に。事前に説明はなく、作業が進んでいて断れなかった。

トラブルが起きる原因

  • 見えない工事と高額性

    リフォームは屋根や外壁など、普段見えない場所の工事が多く、素人には劣化の程度が分かりにくい。また、工事金額が数十万円〜数百万円と高額なため、相場が分かりにくいです。

  • 訪問販売と即決の圧力

    特に高齢者は日中在宅していることが多く、訪問販売の標的になりやすい。業者は「無料点検」「近所で工事中」などの言葉で信用させ、即決を迫ります。

  • 参入しやすい業界構造

    リフォーム工事の8割近くは500万円未満の小規模工事ですが、建設業許可が不要なため、経験の浅い業者や悪質な業者が参入しやすい構造的な問題もあります。

  • 出典:国民生活センター「暮らしのレスキューサービスに係る消費者相談の概況」(消費者委員会 配布資料1-1、2025/2/18)

適正業者の見分け方

リフォーム業者を選ぶ際、5つのポイントを確認することで、トラブルを防げます。これはHESASO認証基準の基本でもあります。

  • 01.料金表が一画面で確認できるか

    材料費・工事費・諸経費・キャンセル料を税込で、スマホ幅でもスクロールなしで全項目表示されているか確認してください。

    良い例

    • 主要料金がすべて税込で明記され、スクロールなしで確認できる

    悪い例

    • 「外壁塗装39,800円〜」だけ大きく表示
    • 追加料金は別ページ
    • 「詳しくはお電話で」と記載
  • 02.「本日の合計◯◯円」に、はっきり同意

    積み込み前に「本日の合計は◯◯円です。よろしいですか?」と明示し、口頭だけでなく書面・アプリ・メールなどで確認する業者を選んでください。

    良い例

    • 合計金額を提示し、同意のサインまたはアプリで確認。
    • 作業内容と金額がセットで確認できる

    悪い例

    • 「だいたい80万円くらいですかね」と曖昧
    • 作業しながら追加料金を重ねる
  • 03.同意の記録を残す仕組みがあるか

    いつ・誰が・いくらに同意したかを、デジタルまたは書面で保存しているか確認してください。「言った」「言わない」を防ぐには記録が必須です。

    良い例

    • 日時・金額が記録される(アプリ/書面)
    • 見積書に「上記金額に同意する」欄と日時

    悪い例

    • 同意なしに夜間割増を支払っても証拠がない
    • 「電話で説明しました」だけで記録なし
  • 04.明細・領収書をその場で発行するか

    作業完了後、その場で紙または電子(メール/SMS)で発行する業者を選んでください。「後日メールします」は届かないことが多いです。

    良い例

    • 作業完了後、その場で明細・領収書を発行
    • メールまたはSMSでも送付

    悪い例

    • 「後日メールします」と言って発行しない
    • 「領収書は本社から郵送」と言われて来ない
  • 05.会社情報・資格を明示しているか

    リフォーム工事では、税込500万円以上の工事(建築一式工事は税込1,500万円以上、または延べ面積150㎡以上の木造住宅工事)を請け負う場合、建設業許可が必須です。
    工事内容に応じた業種の許可(内装仕上工事業、塗装工事業、防水工事業、管工事業など)が必要です。

    必要な許可

    • Webサイトに社名・所在地・責任者・住宅リフォーム事業者団体登録制度のロゴマークが記載されている

    よく混同される許可

    • 連絡先が携帯番号だけ。住所が「都内」としか書いていない。建設業許可番号の記載なし

料金の目安

屋根工事

外壁塗装(一般的な2階建て住宅)

60万円〜150万円

  • 塗料のグレード(シリコン/フッ素/無機)で大きく変動。足場代:15万円〜25万円
屋根工事

葺き替え:80万円〜200万円 / カバー工法:60万円〜150万円 / 塗装のみ:40万円〜80万円

  • 屋根材(ガルバリウム/瓦)で変動
浴室リフォーム

ユニットバス交換:80万円〜150万円 / 在来工法から改修:100万円〜250万円

  • グレード・サイズで変動
キッチンリフォーム

システムキッチン交換:60万円〜200万円 / 配管移設込み:100万円〜300万円

  • メーカー・グレードで大きく変動
トイレリフォーム

便器交換のみ:15万円〜40万円 / 内装込み:25万円〜60万円

  • タンクレス/ウォシュレット機能で変動
フルリフォーム(全面改装)

マンション(60㎡):400万円〜1,000万円 / 戸建て(100㎡):800万円〜2,000万円

  • 間取り変更の有無で大きく変動
  • 上記の料金は一般的な目安であり、実際の費用は建物の状態・工事範囲・使用材料・地域・業者によって異なります。必ず複数の業者から見積もりを取り、比較してください。

HESASO認証マークの意味

HESASO認証マークが証明するのは、「5つの手順を守っている」ことです。料金を先に見せ、合計額に同意を得てから作業する。記録を残し、明細を発行する。会社情報を明示する。これらを第三者(HESASO)が確認済みという意味です。

認証マークは、技術力や価格の安さを保証するものではありませんが、透明な手順によって「聞いてない!」というトラブルを防ぐことができます。HESASOがチェックするのは、「手順の透明性」です。

認証が約束していること

  • 料金を事前に見せる
  • 作業前に「今日の合計いくらか」をはっきり伝える
  • その同意を記録に残す
  • 作業後すぐ明細を渡す
  • 会社名・住所・資格などをきちんと公開している

リフォームで特に注意すべき点

リフォームで特に注意すべき点は、訪問販売による即決の圧力と、工事前に合計金額が確定していない契約です。「無料点検」「今日中なら割引」などの言葉で不安をあおり、その場で契約を迫るケースが多く見られます。

また、工事開始後に追加費用が発生し、最終的に大幅な増額となることもあります。必ず税込の合計額を書面で確認し、複数業者から相見積もりを取ることが重要です。

認証マークがない=悪い業者、ではありません

認証マークは「手順を守っている証明」ですが、認証を取得していない業者でも、きちんと手順を守っている会社はたくさんあります。

認証マークは選ぶ時の一つの目印です。認証マークがなくても、上記5つの手順(料金表示・同意取得・記録・明細発行・会社情報明示)を確認すれば、適正な業者かどうか判断できます。

事業者の方へ

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消費者の方へ

認証事業者はまだ多くありませんが、今後増えていきます。

よくある質問

  • リフォームの見積もりは無料ですか?

    多くの業者は無料で見積もりを行いますが、訪問販売で「無料点検」を口実に契約を迫るケースがあります。必ず事前に「見積もり費用」「現地調査費用」を確認してください。
    また、訪問販売にはクーリング・オフ制度があります。契約書を受け取った日から8日以内であれば、理由を問わず契約を解除できます。

    クーリング・オフの手順:

    1. 契約書を確認(契約日から8日以内か)
    2. 書面(はがき・内容証明郵便)またはメールで業者に通知
    3. 「契約を解除します」と明記
    4. 送付の記録を残す(コピー・写真)

    8日を過ぎても、虚偽説明や脅迫があった場合は解約できる可能性があります。消費生活センター(188)にご相談ください。

  • 建設業許可がない業者にリフォームを頼んでも大丈夫ですか?

    税込500万円未満の工事(建築一式工事は税込1,500万円未満、または延べ面積150㎡未満の木造住宅工事)であれば、建設業許可がなくても合法です。ただし、許可を持つ業者の方が、一定の要件(財産・技術・実績)を満たしているため、安心感があります。
    Webサイトや見積書に「東京都知事許可(般-5)第12345号」のように記載があるか確認してください。

  • 作業前にキャンセルできますか?料金はかかりますか?

    業者が現地に到着する前なら、多くの場合は無料でキャンセルできます。ただし、一部の業者は3,000円程度のキャンセル料を設定しています。現地到着後のキャンセルは、出張費(3,000円〜5,000円)または全額がかかる場合があります。依頼時に必ず「キャンセル料はいくらですか?」と確認してください。キャンセル料が不明確な業者は避けるべきです。

  • HESASO認証マークがある業者は安心ですか?

    はい、認証マークは「料金を先に見せる」「合計額に同意を得る」「記録を残す」という手順を、第三者が確認済みという意味です。「聞いてない!」というトラブルを防げます。ただし、認証マークは技術力や価格の安さを保証するものではありません。認証マークは「手順の透明性」の証明です。料金や技術は、複数の業者を比較して判断してください。

  • 認証マークがない業者は悪い業者ですか?

    そうではありません。認証マークは「手順を守っている証明」ですが、認証を取得していない業者でも、きちんと手順を守っている会社はたくさんあります。認証マークは選ぶ時の一つの目印です。認証マークがなくても、①料金表が一画面で見える、②合計額に同意してから作業、③記録を残す、④明細をその場で発行、⑤会社情報を明示、の5つを確認すれば、適正な業者かどうか判断できます。

  • 認証取得にはどのくらい時間がかかりますか?

    書類審査と実地確認を合わせて、通常1〜2ヶ月程度です。すでに5つの手順を実践している事業者なら、改善要請なくスムーズに認証取得できます。手順が一部不十分な場合、改善期間を考慮して2〜3ヶ月かかることもあります。詳しくは入会案内ページをご覧ください。

トラブルを相談したい

HESASO認証事業者とトラブルになった場合は、お問い合わせフォームからご相談ください。
ただし、私たちができるのは「認証基準の確認」と「改善要請」です。法律判断・返金交渉・示談調整などは、専門機関をご案内します。

こんな時は、ここに相談を

見せてから、同意してから。
これが、新しい安心。
料金を隠さず、手順を守る。
それだけでトラブルは減らせます。